住まいに対する思い

どんな動物にも、帰る棲み処があります。

それは、天敵や外敵から守られ安心して過ごせる場所、小さな棲み処でも厳しい自然環境を生き抜く為の驚くような創意工夫がこらされています。

人の住まいも、奇をてらったものではなく、安心して素の自分に戻れる場、明日へのエネルギーを蓄えられる場、家族のきずなや感性を育む場でありたいと考えています。

事務所名である"nest"には、「居心地のいい場所」「隠れ家」といった意味がありますが、住まいの中にそのような『場』をつくるために様々な工夫やアイデアを盛り込みながら、住まいづくりのお手伝いをしたいと思っています。

快適な空間

便利で機能的な住まいが必ずしも快適とは限りません。

日々の生活の中で自分や家族にとって本当に必要なものは何か？大切にしたいことは何か？それらを改めてじっくり考えて住まいづくりに反映させていくことが大切です。

また”快適さ”は、空間の中での視線の動きや、差し込む光、使われる素材の色や質感といった、視覚に代表される感覚的要素からも生まれるものです。

利便性ばかりにとらわれず、五感で感じる心地よさを大切にしながら、お客様にとっての快適な空間を一緒に探していきたいと考えています。

人や環境に優しく使い込むほどに深みを増し、美しく変化していく、そんな自然素材に惹かれます。

中でも木は時間の経過とともにできた傷や色合いがいい味となり、空間に風格さえも与える魅力的な素材のひとつです。

そのような自然素材は、人工の素材とは違い、狂いが生じたり手間がかかることも確かです。

しかし、人のこころに親近感や落ち着きをもたらし、住まいへの愛着を抱かせるなど、短所を補ってあまりある多くの優れた面をもつ素材です。

長所、短所をご理解いただいた上で、そのような自然素材をできるだけ効果的に住まいの中に取り入れていきたいと考えています。